2002.4.13.更新

2001年12月定例議会

 一般質問(1)

 教育分野における地方分権改革

○原田敬一郎議員
  それでは、まず教育長に質問します。
 1970年代の校内暴力やいじめによる児童生徒の自殺などが多発したときには、
 教育行政改革が検討されました。でも、今回ほどに教育委員会制度の存在意義
 と役割にまで踏み込んだ改革と具体的な法的改正がなされたことはかつてなか
 ったと思われます。そんな教育行政改革ですが、外からはどう変わろうとして
 いるのかよくわかりません。一般行政の分権改革とは違い、国や文部科学省か
 ら都道府県や県教育委員会への権限移譲や関与の縮小はなされるようですが、
 県教と自治体の教育委員会が対等というものではないようです。教育の機会均
 等や教育課程などの全国一律に水準を保たなければならない基本的なものが教
 育分野には多いからだとは思うのですが、私は現場に最も近い自治体の教育委
 員会にこそ重要な自己決定権が保障されるべきだと思います。
 国や県教育委員会は、教育現場の時代や社会変化に伴う教育環境の変化を察知
 し、対応してこなかったのではないかと思います。時代とともに変わってくる
 べきだったのに、国、県、地方自治体という縦割りの主従関係のようなお国の
 方針といったもので、現場から遠くにいる者が教育の現場を細部まで管理して、
 全国一律の画一的な基準を当てはめて、縛り続けてきたと思うのです。
 そんな反省が反映されることなく、教育分野における地方分権改革には自治体
 の行財政能力や政策立案や創意工夫して執行する能力が初めからないものとし
 て自治体の教育委員会には任せられないといったものがまだ前提としてあるよ
 うに私は強く感じるのですが、教育長はどのようにお考えでしょうか。

○鈴山 勝利教育長
  お答えしたいと思います。
 御承知のように、日本の教育が今重大な改革の局面を迎えている中で、教育の
 地方分権の動きも少しずつ進展してきているところでございます。御指摘のよ
 うに、これまで文部科学省が何でも決めてしまい、教育委員会も学校も、そし
 て教師もそのとおり動くというのが当然といったような中央集権的な教育行政
 のあり方が今改められようとしているところでございます。
 例えば、直接子供の教育に携わる学校に関して言えば、個別の学校にもっと自
 主性、主体性を持ってもらうという方向でこ今いろいろな改革が出てきている
 ところでございます。
 確かにそれぞれの学校が自主性、主体性を持つようになるのは望ましいことに
 は違いありませんけれども、そうなればなったで、不安の念が大きくならざる
 を得ない面もあるというのもまた事実でございます。それは、個別の学校が単
 独で重要な決定を本当にやれるのかと、本当にそんなことが可能なだけの力量
 をそれぞれの学校が持っているのかと、このことを心配する声もあるわけでご
 ざいます。このことは、学校を一方御指摘の地方教育委員会に置きかえても全
 く同じと言っても過言ではないと思います。
 お尋ねの自己決定権の保障についてでございますけれども、諸条件が整えば、
 あるいは内容の問題もありますけれども、地方教育委員会の自己決定権が保障
 されるということが御指摘のように望ましいことかなと思っています。
 ただ、市町村教育委員会における自由な自己決定権の保障となりますと、私ど
 もの自己責任において、自主性、主体性を発揮できるだけの自由裁量といいま
 すか、力量を備え持っておくことが必要不可欠な条件になるだろうと思います。
 むしろ、私どもの力量を問われているところかなと思ったりしているところで
 す。
 もう一つお尋ねがありました件ですけれども、戦後、先ほど申しましたように、
 長い間中央集権的な教育行政が行われてきたわけですけれども、その間、日本
 は未曾有の経済発展を遂げました。それを支えた当教育システムは国際的にも
 関心を集めましたし、教育の機会均等と質的水準の保障については高い評価を
 得ました。
  ただ、一方で、画一性とか硬直性とか管理主義、没個性などといった批判的
  な評価もあったことも事実でございます。
  そういうことを踏まえて、今教育改革がなされているところでありますけれ
  ども、そういった意味では、御指摘のように、自治体の行財政能力とか、政
  策立案、創意工夫して執行する能力はないとして、地方教育委員会には任せ
  られないという考えが、仮に前提としてあったとしても、今のところ、私自
  身はそのような実感は持っておりません。むしろ、先ほど申しましたように、
  教育の地方分権を前提とした場合に、市町村教育委員会が国、あるいは県の
  規制に縛られないで、独自の教育内容と質をつくり出せるだけの力量を備え、
  自主性、主体性を発揮するための努力をしなければいけないと思いますし、
  先ほどの学校の例ですけれども、学校にもそういう主体性を発揮してもらう
  ための我々の学校支援体制を精力的に整備をしていかなければいけないかな
  と考えます。
  このことは、地方教育委員会の自立性、自己責任でありますし、今、市町村
  教育委員会に当事者能力の強化を図る必要があると再認識をしているところ
  でございます。
                 
○原田敬一郎議員
 先日、愛知県の黄柳野高校という市民立高校ではありますけれども、そういった
  ところの修学旅行の干潟の案内をしたんですけれども、この子たちがかつて不
登校であったり、校内暴力、家庭暴力、そういった子供たちだったのだろうかと
いう、それほど驚くぐらいの本当に教育の環境が変われば子供たちが変わる、子
供たちが自立する、そういったことを強く感じました。本当にやり方次第では本
当に子供というのはよくも悪くもなる、そういうことを実感しました。
 次、教育分野における地方分権改革を確立するためには、国や県教委からの町
 教育委員会への権限移譲と、委員会自体の自主性、自立性の確立と、財源の確
 保がなされなければならないと考えます。
 その中でも、近年の財政事情の悪化による教育分野への予算削減をどこの自治
 体でも余儀なくされているようですが、委員会の予算の策定はどのような手続
 で行われているのか、そこに現場である学校の要望を反映させるシステムにな
 っているのでしょうか。教育委員会はもともと政治や宗教的に中立で、町長の
 執行する町政とは独立した合議制の執行機関として分権化されているのですが、
 独自の財源を持ちません。行財政の効率化を求める分権改革下では、もともと
 が経常支出の占める割合の大きな予算配分になっているようですので、予算の
 削減はそのまま教育環境の悪化につながるのではないかと心配するのですが、
 教育長はどのようにお考えでしょうか。

○鈴山 勝利教育長
 お尋ねの予算の策定の流れについてですけれども、従来のことを踏まえてお話
  したいと思います。
  まず、総務課主体の予算編成方針説明会がございますので、教育委員会事務
  局はもちろんですけれども、各学校からも担当者を同席させております。そ
  して、教育委員会の中で、それを受けまして、最小の経費で最大の効果を上
  げるということを基本的な考えとしながら、次年度の教育予算全体の話し合
  いを持って共通理解を図っているところです。その後、各学校及び教育委員
  会事務局内の各担当が予算要求書の作成に入るわけです。この作成の段階に
  おいても、相談要望等があれば、その都度対応し、確認をしたり、必要に応
  じて指導助言をしたりしております。その結果、作成された予算要求書を2
  回にわたる査定にかけているところでございます。
 基本的には、各学校からの要求に関しては、各学校の実情を勘案し、削ること
 をほとんどせずに、そのまま査定にゆだねるようにしているのが昨年までの実
 情でございます。
 次に、2点目の予算の削減による教育環境の悪化についてですけれども、御指
 摘のとおり、心配な部分も確かにございます。ただ、基本的には、経常経費の
 削減は差し控えるぺきだろうと思いますし、環境整備の中で、特に施設設備に
 ついては学校教育はもちろんですけれども、社会教育においても支障を来すよ
 うなことは避けるべきだろうと考えます。
 なお、教材教具や備品消耗品等に関しては、事務局及び学校あるいは教師の創
 意と工夫次第ではカバーできる面もありますので、新規購入を控えたり、節約
 したりしながら、その努力はこれまでどおりしていきたいと思います。
 また、もう一つ、個人的に常日ごろ思っていることですけれども、手間暇かけ
 て物事をなし遂げる中でしか培われないものというのもありますので、特に学
 校教育に閲しましては、辛抱するところは辛抱させるといいますか、恵まれた
 環境の中で育てなければいけないという部分も確かにありますし、反面、例え
 を変えれば、豊かな物質文明の中での光と影の部分がございますのでやっぱり
 影の部分も長いスパンで見たときに、子供たちには指導の中で必要かなという
 こともありますので、そこら辺もバランスをとるのが非常に難しい部分もあり
 ますけれども、考えていかなければいけないかなと思っているところです。

 

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